年次有給休暇
年次有給休暇は、一般的には「年休」や「有給」とよく言われています。
この年次有給休暇は職員の申請によって通常の労働日における、労働することの義務が免除される制度です。正職員であれば入職後6ヶ月経過後に10日分の年次有給休暇が発生し、その後1年ごとに1日または2日が加算されることになり、最大で20日分の年次有給休暇が発生することになります。
この制度には、2年の時効があるので勤続年数の長い職員であれば、前年度分を含めて最大で40日分の年次有給休暇を取得する権利があることになります。
また、年5日の年次有給休暇を職員に取得させることが病院・クリニックの義務となっています。
勤続年数 | 0.5 | 1.5 | 2.5 | 3.5 | 4.5 | 5.5 | 6.5以上 |
年次有給休暇日数 | 10 | 11 | 12 | 14 | 16 | 18 | 20 |
パートタイマーの年次有給休暇
年次有給休暇は、正職員のみに認められた制度ではありません。短時間で勤務するパートタイマーにも認められている制度です。ただし、日数は、週の勤務時間や勤務日数により比例減算されています。なお、毎週○曜日というように定期的に勤務するのではなく、1カ月のうちで月末月初のレセプト業務のみを手伝うといった一定の期間だけの勤務の場合には、年間の労働日数を計算して運用することになります。
(1)週の所定労働時間が30時間以上のパートなど
①所定勤務日数が週5日以上または年間217日以上の雇用契約を締結
継続勤務年数 | 0.5 | 1.5 | 2.5 | 3.5 | 4.5 | 5.5 | 6.5以上 |
付与日数 | 10 | 11 | 12 | 14 | 16 | 18 | 20 |
(2)週の所定勤務日数が30時間未満のパートなど
①所定勤務日数が週4日または年間169日~216日の雇用契約を締結
継続勤務年数 | 0.5 | 1.5 | 2.5 | 3.5 | 4.5 | 5.5 | 6.5以上 |
付与日数 | 7 | 8 | 9 | 10 | 12 | 13 | 15 |
②所定勤務日数が週3日または年間121日~168日の雇用契約を締結
継続勤務年数 | 0.5 | 1.5 | 2.5 | 3.5 | 4.5 | 5.5 | 6.5以上 |
付与日数 | 5 | 6 | 6 | 8 | 9 | 10 | 11 |
③所定勤務日数が週2日または年間73日~120日の雇用契約を締結
継続勤務年数 | 0.5 | 1.5 | 2.5 | 3.5 | 4.5 | 5.5 | 6.5以上 |
付与日数 | 3 | 4 | 4 | 5 | 6 | 6 | 7 |
④所定勤務日数が週1日または年間48日~72日の雇用契約を締結
継続勤務年数 | 0.5 | 1.5 | 2.5 | 3.5 | 4.5 | 5.5 | 6.5以上 |
付与日数 | 1 | 2 | 2 | 2 | 3 | 3 | 3 |
有給休暇の取得と時季変更権
年次有給休暇の取得は、労働者の権利として認められており、労働者が指定した時季に取得することができます。
しかし、全員あるいは多くの職員が一斉に同じ日などに年次有給休暇を取得したり、レセプト業務などの繁忙期に取得したりすると、病院・クリニックの正常な運営が妨害され、職場の混乱や患者トラブルを発生させる可能性があります。
そこで、そういった時季の取得申請に対しては、病院・クリニック側に時季を変更させる権利(時季変更権)が認めらえており、申請をした取得時期の変更を促すことができます。
ただし、これはあくまでも取得時季を変更させるのみであって、取得をさせないという制度ではないことに注意をする必要があります。
有給休暇の計画的付与
年次有給休暇の消化を促すために、年次有給休暇の計画的付与が認められています。計画的付与とは、職員自身が有する年次有給休暇につき5日を超える部分について、夏季休暇や年末年始などにおいて強制的に消化させる制度であり、この制度の導入にあたっては一方的にできるわけではなく、事前に誰を対象にしてどの時期にどのくらいの日数を取得するのかといった協定を労使にて締結する必要があります。
有給休暇取得者に対する不利益取扱いの禁止
労基法では、職員の年次有給休暇取得にあたって不利益な扱いをすることが禁止されています。
具体的には、年次有給休暇を取得した職員に対して、皆勤手当を減額することなど賃金の支給にあたって不利益な扱いをすることや、賞与の支給において算定期間中の出勤率の計算で欠勤として扱うことなどが考えられます。このように不利益な扱いを行うと、労基法136条に違反することになりますので注意が必要です。
労働基準法136条
使用者は、有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない。
有給休暇の半日付与
年次有給休暇は、本来は1日単位で運用するものです。しかし、病院・クリニックにおいては土曜日などに半日勤務があったり、平日勤務においても午前の勤務と午後の勤務の間に数時間の休憩時間が設けられていることが一般的であり、すべての運用を1日単位で行うことが現実的ではないことにより、年次有給休暇を半日単位で取得することも認められていますので、こうした制度を活用して運用をすることも良いでしょう。
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