そしゃく・嚥下機能の障害による障害の程度は、次のように認定されます。
そしゃく・嚥下機能の障害認定基準
そしゃく・嚥下機能の障害については、次のようの定められています。
令別表 | 障害の程度 | 障害の状態 |
国年令 | 2級 | そしゃくの機能を欠くもの |
厚年令別表1 | 3級 | そしゃくの機能に相当程度の障害を残すもの |
厚年令別表2 | 障害手当金 | そしゃくの機能に障害を残すもの |
そしゃく・嚥下機能の障害認定要領
(1)そしゃく・嚥下機能の障害は、歯、顎(顎関節も含む。)、口腔(舌、口唇、硬口蓋、頬、そしゃく筋等)、咽頭、喉頭、食道等の器質的、機能的障害(外傷や手術による変形、障害も含む。)により食物の摂取が困難なもの、あるいは誤嚥の危険が大きいものです。
(2)そしゃく・嚥下機能の障害の程度は、摂取できる食物の内容、摂取方法によって次のように区分されますが、関与する器官、臓器の形態・機能、栄養状態等も十分考慮して認定が行われます。
- 「そしゃく・嚥下の機能を欠くもの」とは、流動食以外は摂取できないもの、経口的に食物を摂取できないもの、及び、経口的に食物を摂取することが極めて困難なもの(食餌が口からこぼれるため常に手、器物等でそれを防がなければならないもの、または、一日の大半を食事に費やさなければならない程度のもの)をいいます。
- 「そしゃく・嚥下の機能に相当程度の障害を残すもの」とは、経口摂取のみでは十分な栄養摂取ができないためにゾンデ栄養の併用が必要なもの、または、全粥、軟菜以外は摂取できない程度のものをいいます。
- 「そしゃく・嚥下の機能に障害を残すもの」とは、ある程度の常食は摂取できるが、そしゃく・嚥下が十分できないため、食事が制限される程度のものをいいます。
(3)歯の障害による場合は、補綴等の治療を行った結果により認定を行います。
(4)食道の狭窄、舌、口腔、咽頭の異常によって生じる嚥下の障害については、そしゃく機能の障害に準じて、すなはち、摂取しうる食物の内容によって認定を行います。
(5)そしゃく機能の障害と嚥下機能の障害は、併合認定されません。
そしゃく・嚥下機能の障害について
そしゃくの役割
食べ物をかみ砕く「そしゃく」は、歯、舌、口唇、口蓋、顎関節、そしゃく筋などの働きによって行われます。そしゃくは、食べ物を粉砕するだけでなく、口腔内を刺激することにより、消化液の分泌を促して口腔内を浄化するとともに、口腔内に食べ物と一緒に入り込んだ異物を排除するなどの働きがあります。
また、そしゃくは、顎の骨の発育を促し、歯を丈夫にし、脳内の血液量を増加させ、大脳を刺激することなども知られています。
そしゃく機能の障害
そしゃく機能障害は、交通事故などによる外傷や腫瘍切除による顎、口腔、咽喉などの欠損、重症筋無力症による神経・筋疾患などによって起きます。そしゃく機能障害は摂取できる食べ物や食べ物の摂取方法によって区別されますが、関与する器官、臓器の形態、機能、栄養状態等も十分考慮し、総合的に認定が行われます。
嚥下(えんげ)障害
そしゃくした食べ物を飲み込んで、口腔から咽頭、食道を通過して、胃に送り込む活動のことを「嚥下」といいます。
嚥下の障害の原因は、舌、口腔、咽頭、食道に何らかの障害が発症したことによります。嚥下障害の認定は、そしゃく機能の障害と同様に、摂取できる食べ物の内容によって決められますが、関与する器官、臓器の形態、機能、栄養状態等も十分考慮して総合的に認定が行われます。
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