平衡機能の障害による障害年金の障害の程度は、次のように認定されます。
平衡機能の障害年金の認定基準
平衡機能の障害については、次のとおりです。
令別表 | 障害の程度 | 障害の状態 |
国年令別表 | 2級 | 平衡機能に著しい障害を有するもの |
厚年令別表第1 | 3級 | 神経系統に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの |
厚年令別表第2 | 障害手当金 | 神経系統に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの |
平衡機能の障害の障害年金認定基準
(1)平衡機能の障害には、その原因が内耳性のもののみならず、脳性のものも含まれます。
(2)「平衡機能に著しい障害を有するもの」とは、四肢体幹に器質的異常がない場合に、閉眼で起立・立位保持が不能または開眼で直線を10メートル以内に転倒あるいは著しくよろめいて歩行を中断せざるを得ない程度のものをいいます。
(3)中等度の平衡機能の障害のために、労働能力が明らかに半減している者は、3級と認定されます。
中等度の平衡機能の障害とは、閉眼で起立・立位保持が不安定で、開眼で直線を10メートル歩いたときに、多少転倒しそうになったりよろめいたりするがどうにか歩き通す程度のものをいいます。
(4)めまいの自覚症状が強く、他覚所見として眼振その他平衡機能検査の結果に明らかな異常所見が認められ、かつ、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものは、併合判定参考表の8号(3級又は障害手当金)と認定されます。
平衡機能の障害の解説
平衡機能とは、生体がどちらに向いているか、どれくらい傾いているか、動いているかなどの情報を感知する機能です。平衡機能を障害されると、めまい、眼振(自分の意思とは関係なく、眼球が一方に片寄った後、中央に戻る動き)などに襲われます。
平衡機能障害は、内耳を含めた末梢神経系の障害と、小脳、脳幹部、前頭葉、脊髄など中枢神経系の障害によって起きます。前庭神経系の障害をきたす主な疾患は、末梢性ではメニエール病、前庭神経炎、良性発作性頭位めまい症などがあり、中枢性では脳幹または小脳の脳血管障害、多発性硬化症、脳炎などがあります。
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