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神経系統の障害の障害年金の認定基準
神経系統の障害については、次のとおりです。
令別表 | 障害の程度 | 障害の状状態 |
国年令別表 | 1級 | 身体の機能の状態又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの |
国年令別表 | 2級 | 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの |
厚年令別表第1 | 3級 | ・身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの ・神経系統に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの |
厚年令別表第2 | 障害手当金 | ・身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの ・神経系統に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの |
神経系統の障害の障害年金認定要領
(1)肢体の障害の認定は「肢体の障害」に示した認定要領に基づいて認定が行われます。
(2)脳の器質障害については、神経障害と精神障害を区別して考えることは、その多岐にわたる臨床症状から不能であり、原則としてそれらの諸症状を総合し、全体像から総合的に判断して認定が行われます。
(3)疼痛は、原則として認定の対象とならないが、四肢その他の神経の損傷によって生じる灼熱痛、脳神経及び脊髄神経の外傷その他の原因による神経痛、根性疼痛、悪性新生物に随伴する疼痛、糖尿病性神経障害による激痛等の場合は、疼痛発作の頻度、強さ、持続時間、疼痛の原因となる他覚的所見等により、次のように取り扱われます。
- 軽易な労働以外の労働に常に支障がある程度のものは、3級と認定する。
- 一般的な労働能力は残存しているが、疼痛により時には労働に従事することができなくなり、就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるものは、障害手当金に該当するものと認定する。
(4)神経系統の障害により次のいずれかの状態を呈している場合は、原則として初診日から起算して1年6カ月を経過した日以前であっても障害認定日として取り扱われます。
- 脳血管障害により機能障害を残しているときは、初診日から6カ月経過した日以後に、医学的観点から、それ以上の機能回復がほとんど望めないと認められるとき。
- 現在の医学では、根本的治療方法がない疾病であり、今後の回復は期待できず、初診日から6ヶ月経過した日以後において気管切開下での人工呼吸器(レスピレーター)使用、胃ろう等の恒久的な措置が行われており、日常の用を弁ずることができない状態であると認められるとき。
神経系統とは
神経系統の分類と役割
神経は体のいたるところに網の目のように張り巡らされています。神経には、多数の神経細胞が集まって大きなまとまりを形作っている中枢神経と、細かい多数の神経線維が体の各部に伸びている末梢神経とがあります。
中枢神経である脳は、脊髄や末梢神経を通じて入って来た情報を、保存(記憶)し、思考し、命令を下すなど、情報処理をする上で重要な働きをしています。
末梢神経には、骨格筋を動かす体性神経と、内臓系の活動を無意識のうちに調整する自律神経とがあります。自律神経には、各器官に興奮をもたらす交感神経と、各機関に抑制作用をもたらす副交感神経とがあります。この2つの神経は互いに相反する機能を持って働くことにより、生体システムのバランスをとるようにできています。
神経の情報伝達の仕組み
ヒトは60兆個もの細胞でできていますが、神経系統も細胞から成り立っていて、脳内には千数百個の神経細胞があります。神経細胞は他の身体の部位の細胞とは形が違い、1つの神経細胞からは長い軸索と、木の枝のように枝分かれした樹状突起が伸びていて、これらの樹状突起は他の神経細胞と連絡を取り合い、巨大なネットワークを形作っています。神経細胞は、細胞体と軸索と樹状突起を1つの単位として考え「ニューロン(神経単位)」と呼ばれています。脳の障害の1つは、この脳細胞の機能が壊れて信号のやり取りができなくなった場合に起こります。
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脳の構造と働き
脳の重さは成人でおおよそ1,400g、繊細で柔らかい器官であり、その外側を固い頭蓋骨で覆ってガードしています。脳は大きく大脳、小脳、脳幹の3つに分かれます。
大脳は、脳の中でも最も大きく脳の全重量の8割を占め、思考・記憶・知覚など知的活動の最重要器官です。
小脳は、大脳の後方下部にあり、大脳や脊髄からの指令や信号を受け取って体の各部位の運動を司っています。
脳幹は「生命の座」ともいわれるほどで、ここには生命維持にとって、非常に重要な役割を果たす器官が集まっています。脳幹は、間脳、中脳、橋、延髄などからできていて、間脳は視覚や聴覚などを大脳に伝える視床、ホルモンの指令を出す視床下部から構成され、大脳、小脳、脊髄を結びつける役割を果たしています。
中脳は、瞳孔の調節や聴覚情報、橋は小脳、中脳の橋渡しなどの役割を行っています。延髄は、心拍、呼吸、唾液、嚥下機能など生命維持に直結する調節機能を行っていて、延髄が障害されると、生命維持が困難になるほど重要な器官です。
脳神経と骨髄神経
脳の中脳、橋、延髄などからは、末梢神経である脳神経が合わせて12対出ており、脊髄か末梢神経である脊髄神経が31対出ています。
12対の脳神経には、視神経、嗅神経、顔の表情をつくったり、涙や唾液の分泌を促進する顔面神経、平衡感覚と聴覚に関係する聴神経(内耳神経)、三叉神経、胸部や腹部の内臓の働きを調節する迷走神経などがあり、顔を中心に腹部などの働きにも関与しています。
31対の骨髄神経には、頭、首、顔を支配する頚神経、臀部や下肢などを支配する腰神経、骨盤や下肢を支配する仙骨神経などがあり、脳から発せられ骨髄を経由した信号を各部位に伝える役割を担っています。
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神経系統の障害
神経系統の障害の原因疾病
神経系統の障害の原因には、脳塞栓、脳血栓、脳出血などの脳血管障害(脳卒中)や、脊髄血管障害、脳腫瘍、脊髄腫瘍、糖尿病、神経細胞群が脱落してしまう変性疾患、パーキンソン病、ウイルソン病、自律神経疾患、さらには交通事故などによる頭部外傷、脊髄損傷などによるものなどがあります。
脳血管障害による神経障害
認定対象として多いのは脳卒中によるものとされており、ここでは脳卒中による神経の障害を中心にご紹介します。
脳塞栓はコレステロールなどによってできた血栓が脳に流れ着いて、脳の血管を塞ぐために発症します。脳血栓は脳の血管自体が狭くなるなどして発症します。脳出血は、脳の血管が障害されて出血するものです。
こうした脳血管障害は、さまざまな神経障害を発症させます。脳卒中でよく見られるのは、言語障害、運動障害、感覚障害、排せつ障害、嚥下障害、視野障害などがあります。
言語障害
言語障害は脳の言語中枢を障害されたときに起きる失語症と、口の周りが麻痺してスムーズに話せなくなる構音障害とがあります。失語症には、大脳の前頭葉にあるブローカ中枢の障害によっておきる運動性失語、大脳の側頭葉にあるウエルニッケ中枢の障害で起きる感覚性失語などがあります。
運動性失語では相手の話は理解できても思うように言葉を発せられない症状となり、感覚性失語では話すことはできても相手の話を理解できない症状となります。ブローカ中枢もウエルニッケ中枢も90%以上の人が脳の左側にあり、脳血管障害などで左側の脳が損傷を受けると、言語障害を起こしやすいです。
このほか、「話す、聞く、書く、読む」の機能に障害が起きる「全失語」、言葉の理解、発音は正常だが、言葉の音を間違えやすい「伝道失語」などがあります。
運動障害
脳は右半球と左半球に分かれていて、右半球は左半身を、左半球は右半身を制御しています。このため、脳の左半球に障害を受けると右半身が麻痺し、右半球が障害を受けると左半身が麻痺する片麻痺になることが多いです。ただし、片手若しくは片足だけの麻痺もあり、こうした麻痺を単麻痺といいます。また、両足に麻痺が見られる対麻痺、すべての手足に麻痺が見られる四肢麻痺なども発症することがあります。
運動障害には、このほか、自分の意思とは関係なく手足の一部あるいは全身が動いてしまう不随意運動、小脳が障害を受けた時にめまいやバランス感覚喪失が起きる運動失調などもあります。
感覚障害
温かい湯が冷たく感じるなどの感覚鈍麻、ぬるい湯が厚く感じるなどの感覚過敏、触っているだけなのに痛く感じるなどの感覚異常など、感覚に障害がおこることもあります。
排泄障害
排尿をコントロールしている大脳や脳幹が障害を受けると、尿意を感じなくなり、失禁、頻尿、尿が出ないなどの障害が起きます。
嚥下障害
摂食・嚥下に関係する知覚、運動障害などにより食べ物をうまく食べたり飲みこんだりできない嚥下障害が起きます。
視野障害
視野に関しては、右目も左目も視野の右半分は左脳が、左半分は右脳が支配しています。そのため、例えば左脳に障害を受けると右目も左目も右半分が見えない症状が出ます。このことを同名半盲と呼びます。視野の障害にはこうした視野の半分が欠けるもの、視野が狭くなるもの、見えない部分ができるなどの症状が起きます。
神経の障害の認定
神経系統の疾患による障害は、実に多様であり、その障害の認定は肢体の障害、精神の障害、言語の障害など、さまざまな障害を総合的に判定して認定が行われます。
なお、平成24年9月からの認定基準の改正では、脳血管障害により機能障害を残していたり、人工呼吸器を使っていたり、胃ろう等の恒久的な措置が行われている場合などについては、「原則として初診日から起算して1年6ヶ月を経過した日以前であっても障害認定日として取り扱う」という項目が追加されています。
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